萬能 押へ金


シンガー、スタイル、オ、マチィック
  (改訂ミシン裁縫全書 シンガーより抜粋、転記)
(萬能押へ金使用法・・附属具を使用せず17通りの仕上げをする)

スタイル、オ、マチックは普通の押え金で縫うのと同様な、申し分のない完全な縫い目はこの新しいスタイル、オ、マチィックでも出来るのでありますから、普通縫いの場合でも、この押え金を取り替える必要はないのです。
この押え金の加減定規は、各種の幅の縁付けや、また、色々の飾り縫いにも便利です。

使用の際は加減ネジを緩め、定規を思い通りの位置に定め、そのネジを硬く締めつけて置くのであります。
下図では襞取り金は上に抜き出してある位置に示されております。
これは普通縫いの場合にその金を置くべき位置で、他の仕事をする時にも、この儘にしておけば紛失致しません。

A図


  • A 縫い目隠しの紐通し
  • B 定規加減ねじ
  • C 定規加減ねじ
  • D 第一の溝
  • E 第二の溝
  • F 襞取り金
  • G 普通縫いの紐通し
  • H 第三の溝
  • K 各種折り合わせ縫いの目盛
  • L 自在式加減定規
 


Plain Stitching&French Seams


普通縫い
(Plain Stitching)

押え金と同様に、この附属具をつけたまま普通縫いが出来ます。



 フランス縫いFrench Seams)
 縫い方

外表に合わせた布地を約1.5c程の幅で普通縫いをします。
1枚目の縫いしろを約1c程残して切り捨てます(下図左)。
2枚目を1枚目の1c程残した縫い代に被せるように包み込むように折ります。
その端をA図Dの穴に差し込みながら縫い上げます。

Binding

縁付け縫いBinding)

このこの附属具では各種の異った巾の縁布を使用することが出来ます。バイヤステープでも、また同じ布地や対象色の縁布を使用します。先ず加減ネジ(L)を右の端に動かし、縁布を半分に折り、折った方を右にして持ち、縁布を第一の溝(D)に入れ、切地を縁布の中央に差し込み右図のように縫います。

      

Tucking

折合せ縫いTucking)

折合せ縫いはごく細いピンタックから4分の1インチのタックまで異った幅で、その間隔を自由に縫うことが出来ます。
これには加減定規を望みどおりのタックの幅に加減し、切地を折って第一の溝(D)に差し入れ右図のように縫います。

目盛(A図K)は各種タックの幅を定める為に用います。

Edge-Stitching

縁際縫いEdge-Stitching)

材料の切った縁を3ミリ〜6ミリ程下へ折り返し、定規(L)を出来るだけ左方に動かし、材料の縁を第1と第二の溝(DとE)に差し入れ、なるべく材料を右側に寄せながら縫いだします。折り下げた縁の余分は縫い目の縁で鋏み切ります。

      

Fancy Edgings&Lace Insertions

レース縁付け縫いFancy Edgings)

布地の縁を3ミリ〜6ミリ程下へ折り返し、定規(L)を出来るだけ左方に動かし、布地の縁を第1と第二の溝(DとE)に差し入れ、なるべく材料を右側に寄せながら縫いだします。折り下げた縁の予分は縫い目の縁で鋏み切ります。

      
 レース挿入縫い(Lace Insertions)

加減ネジ(A図L)を出来るだけ左方に寄せて、レースの挿入は付ける布地の端を下に折って置き、レースを第一の溝(A図のD)に入れ、第三の溝(A図のH)に入れ、双方の端がしっかりと重なるように溝に深く入れて縫います。

Shirring

襞取り(Shirring)

襞取りをするには、先ずミシンの調子を良く調節しなければなりません。
均一で丈夫な襞の列を作るには正しい本縫いの縫い目が必要です。
そして、スタイル、オ、マチィックの襞取り金は上左図の嵌めこみ金具を上右図のように出来るだけ奥の方に挿し込みます。
この時襞取り金から針穴が見えるようにします。。


それから、下図のように押え金の下へ布地をおいて縫います。襞の深さは縫い目の長さで加減します。
ふくらみを深くするには縫い目を長くし、浅くするには縫い目を短くします。
もし、襞の列を数列作るときには、押え金の端を定規にして縫います。
襞取りが済んだときは、襞取り金は引きぬいて下さい。

Ornamental Stitching


装飾縫い(Ornamental Stitching)

刺繍風の色々美しい飾り縫いは、打ち紐、毛糸、その他各種の糸類を用いて作ることが出来ます。これは襞取り金を上図左のように上に抜き出した位置に定めて糸通しの役目をさせます。加減定規も糸を導く役目をします。この定規は糸の太さに合わせて、必要なだけ左方に寄せ、針が糸の真ん中を通るようにします。布地は押え金の下に置き、上図左のようにA図Gの穴から第一の溝(A図のD)へ通し、押え金の下へ入れて縫うのです。

Invisibly Stitched Braiding



布目隠し紐付け(Ornamental Stitching)

飾り紐を縫う時には、紐の短い方を右手にして両手で引っ張り加減定規の紐通し(A図のG)へ入れます。そして左の方をA図のAの穴へ通して引き、右の方の端を上の図の左下図のXのように押え金の下から向こう側へ出しておきますが、飾り紐が押え金の下へ自由に送られるように注意して下さい。

Shirring & Ornamental Stitching



襞取りと同時に飾り縫い
(Shirring & Ornamental Stitching)

襞取りと飾り紐付けの二つを同時に行うことが出来ます。
最初に襞取り金を奥の方に差し込んで襞取りの用意をします。
そして、飾り紐を引っ張って持ち、押え金と襞取り金の間に差し入れ襞取り金の針穴へ通します。
そして、飾り紐をA図のGの穴を通して引き出し、布地を押え金の下に置き、普通縫いの時と同様に縫い出します。
飾り紐を縫いつけると同時に襞取りが出来ます。。

Shirring and Invisibly Stitched Braiding




襞取りと布目隠し飾り紐付け
( Shirring and Invisibly Stitched Braiding)

襞取り金を襞取りの縫い方のようにして、上図のように飾り紐を定規に通して縫います。

Smocking


スモック飾り縫い(Smocking)

ミシンでスモック飾り縫いをするには、飾り縫いと襞取りを組み合わすと、簡単に、迅速に出来ます。布地へ飾り紐で縫っていけるような模様を記して置き、模様の対角線に飾り紐を平らに置き、襞取り金を襞取り縫いのようにして、上の図左のように襞取りの列を作ります。
3列の襞取りで出来上がったスモック飾り縫いです(上の図右)。

Piping



パイピング(Piping)

布地の端を下に折り、パイピング用の布地の双方を第一の溝(A図のD)に差し入れ、裁縫中は双方を注意して持って、下の方の布地は押え金の下に置き、押さえ金の左端と並行するように平行するように注意して縫います。

Hemstitching

ヘム縫い(Hemstitching)

イミテーションヘム縫いはミシンの上糸を緩めて縫います。このヘム縫いには2枚の布を合わせて縫いますので、1枚目は第一の溝(A図のD)の上に置き、2枚の布の端を揃えて縫います(下図左)。
上糸の調子が緩ければ緩いほど開きが広くなります。
緩い縫い目が出来たら、2枚の布地を開き、布端を折り返して、布端を折り返し開きに添ってその折った端を縫いヘムの糸を止めつけます(下図左)。
端の余ったところは切り取って、ヘム縫いが出来上がります。
緩い平均した縫い目の開くを作るに困難な時は、2枚の布地の間に新聞紙を沢山折って鋏み込みますと、縫い目の糸の長さが平均して完全な仕上げが出来ます。




Picoting


ピコ飾り(Picoting)

ミシンの上糸の調子を緩めて、ヘム縫いと同様の用意をします。
そして、押さ金の下へ一枚の新聞紙を置き、ピコ飾りをつける布地を第一の溝(A図のD)へ入れて上の方へ出しておきます。そしてヘム縫いと同様に布地と新聞紙とを縫います。縫い終えましたら切地と新聞紙とを開いて、布地の縁の端を折り、糸の動かぬよう止め縫いをします。それから新聞紙の方に出ている下糸を引き抜きますと、ピコ飾りが出来上がります。

Crochet Edge


鉤針編みの編糸飾り
(Crochet Edge)

ミシンの上糸の調子を緩めてヘム縫いの用意をしておきます。
そして、布地を押え金の下に置き、飾り縫いに使う編み糸をこの附属具に通しておきます。(下図左)
その糸を布地の端に縫いつけます。スカラップでも角型でもこの方法で楽に縫いつけられます。縫い終えましたら布地の端を下に折り(下図右)のように端を止め縫いします。
上の図はその出来上がりです。